美味しい海鮮! でも騙される!!

キノコ鍋屋「ASHIMA」はダナンにあるのだろうか。

それを調べるために、原田氏が知り合いのベトナム在住の日本人に電話をして、調べてもらうと、1ヵ月後にOPENするとのこと。やっぱりそうか…開店が遅れてるんだな。しかし、それが目的でダナンに来たのに、それがないのだったら、ニャチャンでも行ってシーフード三昧と行きたかった。
しかし、ここ、ダナンも港町。おいしい海鮮料理はあるはず。ということで、海鮮料理を朝から食べにいくことに。情報がなく、ガイドブックに一つだけ載っていたので、そこに向かうことに。
ホテルから近いので、歩いて向かっていると、昨晩のおじさんがバイクで隣に並んで走りながら「どこいくの?」と、声をかけてきた。「海鮮料理のレストラン。すぐそこの」というと、「あそこは高い。やめたほうがいい。むこうに安くていい店がある」「どこ?」と地図を見せると、「ここ、ここをまっすぐいって、右にまがったとこ」「え?左でしょ。あなたが指差してるところは左だよ」「違う、こっち、右」お互いに片言の英語なのと、どうも彼は地図を見るのがへたなのか、言ってる場所がどこなのかよくわからない。
「大丈夫、俺が案内するよ」といい、バイクを押して、先に行き始めた。「なんでこんな優しいのだろう。何企んでいるかあやしいけど、まあ行ってみよう」
そうして辿り着く。たしかに右にまがったところだが、わかりづらい場所で、案内してもらえないと来れないようなところだった。「ここ、ここがおいしくて安い。地元のベトナム人はみんなここに来る」 といい、彼がそのまま2階に案内してくれて、席に座らせてくれた。 
「何が食べたい?」と言われ、「じゃあ、これとこれとこれとこれ」と頼むと、彼がオーダーを通してくれて、料理も運んできてくれた。「原田さん、あの人、この店の人ですかね?」 「どうだろう、でもそんな感じだよな。だからここに連れてきたのかな…」
頼んだ料理は「蒸し海老のにんにく炒め」「焼き海老のバター添え」「蒸し渡り蟹」「渡り蟹のタマリンソース炒め」。シンプルな料理がばかりだが、おそらく素材がいいのだろうと期待。
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まず海老料理が出てくる。海老はぷりっぷりでとてもおいしい。日本に入ってくる冷凍海老はベトナム産が多いが、ここで食べる海老は冷凍ではなく、新鮮な生の海老だから、もうそれだけでおいしい。
「こういうメニューも日本では難しいな。まず価格がどうしても高価になってしまうし、 冷凍の海老ではこんなにおいしくはならない。生の海老で提供するとなると、大変高価な料理になってしまう」「そうですね。新鮮だからおいしい。ベトナムだから安いのですしね」
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次に蟹だが、これはさらにもっとおいしい。日本にもベトナム産の渡り蟹は冷凍で入ってくるが、現地で食べるとまるで違う。身がやわらかく、感動的なおいしさ。「こりゃうまい」と言いながらむさぼりつく原田氏に、「あれ、原田さん、お腹の調子はよくなってきたのですか?それとも、おいしいから?」「おいしいから、食べなきゃ損だと思って。夜になったらダウンするかもしれんが、もうそれは覚悟して食べる」 さすが飲食業のプロ。 まあ、今回はおいしいからということだが、ベトナムへ来てから二日目でもうお腹こわしていたのに、それからも食べ続ける姿勢は、とても仕事熱心。 
私もいつもベトナムへ来た時は、帰るころになるとお腹の調子が悪くなってくる。けれども、今回は大丈夫。ビールを飲むときは普通に氷を使っているし、それほど気をつけていないけど(ベトナムではビールは常温で保存してあるため、飲むときに氷でロックにして飲む。外国人がくるような店では冷えてるビールを置く所も出てきたが、氷が現地の水でできているため、これが原因でお腹を壊す人もいる)。発展途上国の料理を勉強する人は、現地で食べ歩くのに、丈夫な胃袋を持たないとつらい仕事になるだろう。
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それから最後に蟹と玉子のスープで締め、大満足だった。
ずっと我々が食事している間はほとんど下の階に行っていたベトナム人のおじさんが戻ってきたので、ビールをついであげ、「おいしい。ありがとう」と伝えると、嬉しそうに、にこにこ笑っていた。「へー。ところで、あなたはこの店の従業員?料理運んでくれたりしたけど。だからこの店に連れてきたの?」「いや、従業員ではなく、友達というか、よくこの店を使っているんだ。週末はよくこの店に海鮮を食べにくるよ。おいしいし、安いし、地元の人はみんなここに来る。それと、俺には大阪で先生をやっている日本人の友達がいる。彼は元、ダナンにあるサクラスクールの先生をやってた。彼がベトナムへ来た時はいつもこの店に連れてくるんだ」「へー。サクラスクールって聞いたことあるな」
「ところで、今日ダナンから出るんだよね」「そう」「何時にでるの?」「19時頃の飛行機に乗る」「これからどうするの?」「あ、もうこんな時間だ。まずホテルをチェックアウトしなければ。それからはショッピングにいくよ」「スーパーマーケットは行っちゃだめだよ。高いから」「うん、コン市場へ行きたいと思ってる」「そうか、それはいい。あそこは安い」「じゃあ、そろそろ帰らなければ。もうホテルへ戻らないと。会計を」「OK」 と言って、ウェイトレスに会計を頼んでくれた。
伝票が来ると、約4500円くらい。「これって安いのですかね?」「うーん…まあ、日本で食べたら1万円は軽くこすな。しかし、もっと安いのかと思った。まあ美味しかったからいいだろ」 するとそのベトナムおじさんが、「いくらだった?」と伝票を見て、ふーんという顔つきで何も言わない。「じゃあ、これで支払い頼むよ」と、原田氏は100ドル札を彼に渡した。先ほど両替したばかりだったので、細かいのがなかった。「OK」と言って、そのおじさんは1階へ降りていった。「原田さん、4500円って安くはないですよね。彼のリベートも入っているんですかね?」「どうだろ、まあそれも考えられる」「でも彼に案内してもらえなかったらここには来れなかったですからね」「まあ、そうだね…しかし、彼遅いな。下に行ってみよう。ホテルのチェックアウトも急がないとだし」
しかし、彼の姿は見えない。「なんか、100ドル札のおつりがないから、両替しに行ったと従業員が言ってるよ」「そうですか。もうホテルのチェックアウトに行かないと間に合わないから、私は先に行ってますね。原田さんは彼のバイクに乗せてもらって、後から来てください」 ということで、私は先にホテルに戻り、チェックアウトを済まして原田氏を待っていた。「遅いなー。なんかあって、歩いてくるのかな。しかしそうすると道わからないんじゃないかな…」と心配になってきた。しかし、待つこと30分くらいして、原田氏はホテルへ入ってきた。
「だまされた。詐欺にあったよ」「え?どういうことですか?」「彼は戻ってこなかった。両替に行くと言って、そのまま持ち逃げだ。従業員も彼のことなんて知らないと言ってる」 「それはグルじゃないんですか?」「いや、あれは違うな。どうも本当に知らない様子だった。従業員達もみんな哀れんだ顔つきで見てたし。店主が出てきて、店の支払いは半分にしてくれた」「じゃあ、合計で120ドル?高くつきましたね。警察は呼ばなかったのですか?」「どうせ呼んでも言葉通じないだろうし。面倒だ。騙されたやつが悪いという社会だろ」
私は、原田氏がチェックアウトをしている間、むしょうに腹が立ってきて、そいつをなんとかして見つけて、ボコボコにしてやりたいと思った。しかし、相手はチンピラ。ナイフを持っている可能性もあるし、まず見つかるわけがない。我々の行動はもうむこうは知っている。19時を過ぎるまでは、この辺には姿を見せないだろう。まあ、最初はそのつもりではなかったのかもしれない。100ドルという彼にとっては大金をつかんで、出来心がでたのかもしれない。
しかし、すごく残念だった。ベトナムでこういう人が寄ってくる度にいつも警戒していたが、今回はその警戒を破られ、隙を見せた瞬間にこのありさま。これから彼のようにベトナムの街角にいるおじさん達を見る目は変わってしまうだろう。彼らにはよく多めに請求されたり、タクシーに遠回りされたり、どこかに案内してくれてそのバックマージンをとられたりすることはあるが、今回のようにいろいろと話し、信用させて、騙すようなことはなかった。 騙されたやつが悪いのはわかる。考えが甘いのはわかるが、人を信用することができない社会っていうのは、寂しい。
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気をとり直して、コン市場へ。「その前に金がなくなったから、両替にいかないと。もうあまり使わないから少しだけにしとこう」と、二人とも少しだけ両替した。
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コン市場はホテルから歩いて10分程のところ。中に入ってみると、なんか今までの市場と違った雰囲気。ホーチミンもハノイもフエもホイアンも、日本人が市場を歩いていると、 「や・す・い…か・わ・い・い…お・い・し・い…」 などと簡単な日本語を発し、腕をつかまれたりする。また、商品を手にもち、じっくりと見ようとしたりしたら、もうあれやこれやといろんな商品を出してきて、全く興味がないものもかまわず薦めてくる。それを回避するのが大変だし、価格交渉も面倒なので、ベトナムでの買い物には労力が必要だ。
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しかし、ここ、ダナンのコン市場は、とても静かだ。我々が歩いていても、商品を手にとろうと、ほっといてくれる。「ここは商業都市で観光客がいないから、観光客相手の商売ではないんだろうね」「そうですね。しかも、商品に値札貼ってありますよ。市場で初めて値札見ました」そんな感じで、ゆっくりと商品を見ることができた。
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この市場の中心部に屋台エリアがある。ミークアンやカオラウ、フォーやブンの他、おこわや豚の内臓料理、蒸し春巻きや餅料理、チェーなどいろいろある。「原田さん、ここの屋台はなんか衛生的ですよ。陳列の仕方もキレイ見せてますし、きちんと商品棚やテーブルなどをキレイにしてあります。こんな屋台見たことない。ホイアンの市場なんてひどかったですよね」「ほんとだ。たしかに見た目は清潔感があるね。しかし俺は食わない」
まあ、そんな感じの市場で、地元客ばかりでした。そもそも、この街に来てから日本人を見てない。タクシーの運ちゃんに聞いたら、日本人はたくさん来るが、彼らはみなビジネスの為に来る。観光で来る人はあまりいないらしい。そんな人はわざわざこんな汚い市場より、スーパーマーケットを好むかもしれない。
疲れてきたので、どこかでお茶をしようと思った。ダナンには路上のそこらじゅうにカフェ屋台みたいのがたくさんある。市場の周りにもたくさんある。しかし、もうベトナムのローカル的な雰囲気になじむことにもややうんざりしてきて、もっと衛生的なところでゆっくりと休みたい。
コン市場の正面には4階建ての豪華なスーパーマーケットがある。その1階にスタバ風のカフェがあったので、そこに行くことにした。そこにはソファーがあって、路上の10倍の価格(300円くらい)でコーヒーが飲めた。客は我々の他には西洋人のおじさんが一人。パソコンで何やらやっている。スタッフは8人くらい。やることは何もなさそう。「茂木君、両替しないと、空港までのタクシー代も足らないんじゃないかな」「あ、私もお金ぜんぜんないですね」「もう16時30分だ。銀行は17時まで。早くしないと空港までのタクシー代もないよ」
スーパーマーケットでヌクマムを急いで買って、そこの近くの銀行へ行ったが、16時30分までで終了してしまっていた。「あっちにもあったな」と、行ってみると、日本円からは両替できないという。「ホテル近くの銀行まで行かないと駄目だ。やばい、間に合うかな…」 あわててタクシーに乗り込み、銀行まで行く。「そこ右に行って」「通行止めで行けない」 「じゃあ、もうそこに止めて」「茂木君、俺が両替行ってくる」と、原田氏は急いで銀行へ走って行った。私はタクシーを遠回りさせて銀行の前に行かせ、待っていた。「間に合いましたか?」「いや、もう終わっていたけど、拝み倒して無理やり両替してもらった」「なんかいつもギリギリですね」
そんな感じで、何とか帰る為のお金を準備でき、無事にダナン空港までいくことができた。ベトナムへはいつも食べ歩き目的で来ているが、1日に5食~8食食べることは疲れるし、買い物での交渉も疲れる。
今度はプライベートでニャチャンのリゾートへ行ってみたい。

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