カオラウを食べる

今回、ホイアンへ来た目的は、カオラウを食べる為と、カオラウの麺を日本に持ち帰り、製麺職人の吉野さんに届けることです。

そのついでにリゾートも少し楽しもうという感じです。

その旅に、鈴木さんと岡部さんも付き合ってもらいました。

ってことでカオラウの一番うまい店を探す。
 

宿の朝食でも、私は毎回カオラウを食べています。
他のメニューはキッチンで調理していますが、カオラウだけはどこからか運んできます。

宿の姉さんにどこで食べるのが一番美味しいかと聞くと、市場の前にある屋台がうまいと言う。

伊藤忍さんが「べとめし大全」での取材の際にカオラウのつくり方を習ったのも、この市場前の屋台だということだ。
しかし、前回来たときにその屋台を探したが、見つからなかった。

忍さんの本では、早い時間に締まるということだったが、宿の姉さんは、その屋台は夜11時までやっている言う。

そんなことで、ホイアンに来てからずっと昼も夜も市場前を探しているのだが、その屋台は見つからない。いったいどこにあるのだろう?

ちょうどその場所に観光案内みたいな小屋があったので、そこの姉さんに聞いてみる。

「このへんにカオラウの美味しい屋台があるはずなんだが、知らない?」

私の英語はかなりひどいが、なんとか一生懸命に話しかける。

「そこの通りに数軒あるよ」

「レストランではなく、屋台。小さな屋台。外で食べる屋台」

「屋台はわからない。美味しいカオラウの有名店がそこの通りに2軒ある」

「一番美味しいカオラウが食べたい。ベストカオラウ。どこにある?」

と、必死に聞いていると、若い女の子が、日本語で

「一番美味しいですよ。あの店かこの店。どちらも美味しい」

「え?日本語上手だね。あ・・・そう。あなたも食べたことあるの?」

「はい、私も食べます。美味しいです」

ってことでその2店を見た目で比べ、「こっち」っと決めて入る。

そういえば、「BALE WELL」のおばちゃんもこの2軒がうまいと言っていたな。

ここは価格も普通なので安心して食べられる。

ダラットワインをとりあえず頼み、

ホイアン名物のホワイトローズ、同じく名物の揚げワンタンは普通だからいらないとみんなを説得し、他にも名物的なコムガーと、サラダと炒めカオラウをとりあえず頼み、最後はカオラウを3人分頼む。

ホワイトローズは米粉の生地にすり身や肉かな。入っていて蒸したもの。

美味しいと言えば美味しいが、特別美味しいとは思えない。

フエの街で食べられる蒸し料理のほうが美味しいと思う。


コムガー。ここのものは鶏肉が食べやすく裂いてある。なかなか美味しい。


炒めカオラウ。こんなのもあるんだ。同じく蒸し麺を使用する日本の焼きそばにとても似た感じ。


そして、これが基本のカオラウ。本当かどうかはわからないが、ホイアンで一番美味しい??のかな。


混ぜ混ぜして、こんな感じに。わりとさっぱりで、日本の油そばなどよりはヘルシーな和え麺です。
 

カオラウはその麺のコシがベトナムらしからぬものであり、日本の麺で似ているのは、太めのやきそば用の蒸し麺かな。

温かい和え麺というのも、ベトナムでは珍しい。そういう意味で私はメニュー化したい。

日本ではフォーしか知らない人が多い。

チョップスティックスではブン料理は代表的なものをいくつかメニュー化して、すでに人気メニューとなっている。

さらにバラエティを出すのに、このベトナムでも珍しい、ホイアンだけでしか食べられないカオラウをメニュー化したい。
 

なぜカオラウがホイアンでしか食べられないかというと、理由があります。

カオラウの麺は、2種類の水を使って製麺します。

一つはこの土地、ホイアンの井戸水。これにはミョウバンと同じ成分が多く含まれているらしく、麺にしなやかさを与えるとか。

もう一つはもともとはホイアン近くのチャム島で作った木灰の上澄み液を使っていたらしいが、今ではかん水を使っているらしい。

どちらもアルカリ性の強い水で、麺にシコシコとしたコシを与える。
 

ベトナムでは、柔らかい麺が主流だが、この麺はコシがしっかりとしていて珍しい。

かつて日本人街がこの街にあったことが影響しているのではと言われています。

ということで、ホイアンでしか、この麺は食べられないのです。そしてわざわざここまで来ました。

日本三大うどんの一つ、群馬県の水沢うどんみたいなものなのかな。

榛名山、水沢の湧水で製麺した麺しか、水沢うどんとは言えない為、日本三大うどんなのに、知らない人も多い。

まあ、それはおいといて、日本でさすがにホイアンの井戸水で製麺することはできないが、

成分はわかっているので、そこは試行錯誤して、製麺してみたいと思う。

しかし、麺の食感はややざらついていて、プツプツと切れやすい。

観光客としてこの町で食べるのは美味しいが、これとまったく同じものを日本で作っても、

美味しい麺を食べ慣れた日本人をうならせることはできないかもしれない。

この麺のよさを生かしつつも、もう少しなめらかに、しっとりと作ることができれば、さらに美味しくなるだろう。
その為には、蒸し麺よりも、生麺で製麺したほうがいいかもしれない。
蒸し麺にすると、どうしてもざらつき感が出てしまう。

また、日本米のモチモチ感を加えられれば、世界に二つとない、新しい米麺が出来上がる。

とついつい熱くなってしまいますが、やりすぎるとカオラウではなくなってしまうので、そこは要注意です。

カオラウは炒めカオラウなどもあるが、基本的に和え麺で、五香粉とベトナム醤油などで煮豚を作り、その汁と調味料でタレを作る。

麺生地を四角く切ったものをカリカリにラードであげたものと、もやしやレタスの他、カイノンという青菜の若芽、そしてラウダンという香草を、

カオラウの麺の上にのせ、先ほどの煮豚とタレを一緒に和えて食べます。

カオラウのメニューへの登場。お楽しみに!!

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