久しぶりに会う ソンさん

以前の旅ブログにも登場していますが、ずいぶんと会っていませんでした。

10年ほど前、日本の写真専門学校の学生として日本で出会ったソンさんは、日本から中古カ メラやPCをベトナムにハンドキャリーで運ぶブローカーとして商売を始め、今では9階建てのビルを丸ごと借りて自分が経営するパソコン販売会社のオフィス として使用するほどの事業家になっている。

5年ほど前に禁止されている中古バイクの密輸で中国当局に拘束されたりして、ずっと連絡をとれないでいたが、アインの結婚式をきっかけに、また連絡がとれた。

ソンさんはPC販売会社の社長だが、奥さんがやりたいというので、カフェの経営を最近始めたらしい。コーヒー豆の産地で有名なハイランドで豆を仕入れ、オリジナルにブレンドして「スカイラインコーヒー」というブランドを作った。


スカイラインコーヒー 1合店

商売が思っていたよりもよかったようで、今はアジア最大級のショッピングセンターと言われるビンコムシティタワーなどにも出店し、3店舗にまで店舗数を増やしている。今もまた新規の開店準備をしている。

ビンコムシティタワー内の店   奥のガラスの向こうは、屋内スケートリンク。
内装費に700万円かかったそうだ。この金額は、ベトナムでは相当なものです。


日本が大好きなので、富士山の写真や、桜の木なども店内にはある。
カフェなのに、座敷席があるのもめずらしい。
 

2年後に開業するハノイ第2空港への出店も決まったようだ。

楽しそうに新店の図面やこれからの展望を話すソンさんを見ていると、奥さんの為じゃなくて、もう自分の商売になっているように見える。

 

ソンさんは日本の中古バイクが好きだと言う。

「へーそうなんだ。どれくらいバイク持ってるの?」

「50台」

「はぁ?50台?」

ってことで、ガレージを見せてもらう。

元バイク屋を居抜きで借りているらしく、必要な設備が揃っている。

ここで世界中から集めたホンダの旧車を、やはり世界中からパーツを集めてレストアしているようです。しかも、住み込みの従業員が3人いる。趣味に従業員??
すべてのレストアが完了したら、内装をきれいにして、旧車専門店でも作る気なのかもしれない。
趣味を商売とする、そんな感じなのかな。

 

ソンさんの新しいオフィスが入る9階建てビルの屋上。

ここに全面ガラス張りの壁を作り、360度パノラマの夜景が見れるスカイラインコーヒーを作るらしい。
階下の9階にはレストランを作るとか。

考えるスケールが私とは違いすぎて圧倒されてしまう。

6階~8階がソンさんの会社のオフィスで、3~5階はテナントで貸すらしく、そのテナント料だけで、ビル全体の家賃の7割を賄えるらしい。さすがです。爪の垢を煎じて飲ませてください。

 

ソンさんは急成長するベトナム経済の波に乗り、自分のアイデアと努力だけで成功した。

法律ギリギリのところでの勝負もしてきたし、大きな賭けにも挑戦してきたようです。

運もあるのだろうが、彼の人柄を見ると、それを引き寄せることのできる
人間性と大きな器を感じる。成功しても決しておごらず、さらなる成長を楽しそうにいつも考えている。
貪欲なのではなく、ただ仕事を楽しんでいるように感じます。

私とソンさんは、同じ頃に商売を始めた経営者同士で、ソンさんは私より一つ年下ですが、
なんか大先輩のような感じです。

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